水戸芸術館ACM劇場だより

茨城県水戸市にある水戸芸術館ACM劇場制作スタッフによるACM劇場公式ブログです。ACM劇場の公演情報や稽古場の様子など、劇場の最新情報を発信していきます!

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

【スクールレポ】朗読スタジオが開校しました!

5月11日(土)。
この日、今年度より新しくはじまるスクールの一つ『朗読スタジオ』が開校しました。
今日はその様子をご紹介します♪

―熱心な参加者と

0511_02.jpg

ベテラン俳優の壌晴彦さんを講師にお招きしての朗読スタジオ。
応募が殺到し、急きょクラスを2クラスにしての開校です。最年長は80代の紳士から、下は高校生まで。幅広い年代の方が参加くださいました。あいにく雨模様となった土曜日でしたが、午前のクラスの方は受講開始時間の1時間前から入場を希望するような熱心さです。それにお答えするように、少し早めにクラスを始めてくださいました。

―身体は楽器だとしたら

「自分の身体が楽器だとしたらどう弾いたら音が出ると思いますか?」という問いからクラスは始まりました。
「力いっぱいやっても、思ったよりも大きな音もきれいな音も出ませんよね。力まないことが大事、フェザータッチというぐらい優しく触ってもちゃんと音が出ます。」話はより深くなっています。
「声は省エネで大丈夫ですから、一生懸命やらないで(笑)。それに力んだ状態は人に移ります。舞台で力んだ人の声を聴くと、お客さんも力んじゃうのです」。

壌さんのお話は、身近な話から声についての大事なポイントを炙り出していきます。市場でのセリの声がなぜ通るのか、それは昔のアニメのトッポジージョとどこがどう似ているのか・・。そしてそれに留まらず、そのポイントを理解して使いこなせば、声に出して表現することに、多くのやり方があることを教えてくれます。

「そもそも声は無限にあります。その人の発想の分だけ数があるようなものです。でも世の中には誤解があって、皆さんの発想を縛っている。その誤解も解きながら、実際の朗読に必要ないろんなレッスンをやっていきます。」
最初の20分は、まるで落語の枕のように笑いの多いお話でしたが、
その中にこれから学ぶべきことのヒントや糸口がたくさん詰まったものでした。

―具体的なイメージが言葉を真実にする

0511_01

今回のクラスで使用したのは、アンデルセンの『絵のない絵本』から第26話。
お月さまがある夜明けに、煙突掃除の少年が町にある煙突のてっぺんに上って大喜びしているのを見たという話です。

「そもそも作者はこの作品で何を伝えたかったのかな?月は何を感じたので、このお話を語ったのだろうか?」
壌さんはまた参加者に問います。
「それが大事なポイントの一つ。それと、」問いは更に細かくなっていきます。
「この少年はどんな年齢?どんな生活をしている?なぜ夜明けに登っている?登るのは楽だったのだろうか?…」
さらに壌さんは「ではこの話を映像にするとしたら、ここの街並み、煙突、少年の外見のイメージやその気持ちを考えて、この物語を絵コンテにしてください」。参加者は、20分かけてひたすらその風景と少年を思い描いていきます。

―本当に実在する人になった

「この煙突のシーンをもとに、皆さんはその少年の人生の一部を共有したのです。しかも文字ではなく三次元のビジュアルにして。ちょっと身近な人になったでしょ。そしてこの少年が煙突を登り切った時の達成感と、似たような達成感を皆さんの人生から思い出して見つけてください。するとみなさんの朗読がより具体的により明確になって、もっと素敵になっているはずです。」
やっと実際に声に出すレッスンが始まりました。しかしすでに風景が浮かぶような朗読になっています。
一人ひとり違うのですが、一つ一つがリアルに存在しています。
それでも壌さんからは細かく丁寧な指導が入ります。
「聞き手の理解のスピードもあるから、急いで読まないで。」
「うれしいとか感情が発生した時と、実際にそれを言葉にする時には、ほんの少し時間が経っているから、その時間差を忘れないで。」
「動きのある言葉は、そのスピードをしっかり決めてね。」
「全部文字で書いているけど、それは皮膚で感じたことだったり、目で見て感じたことだったり、視点が変わったりしているんだ、それを感じ分けて…。」
「あれ、これ、という言葉も具体的にイメージして。」

壌さんからは、ああしなさい、こうしなさいと一言も出てきません。
人前でやると忘れてしまうような、それでいてだれもが持っている感受性を思い出させながら、そしてそれを根拠に指導していきます。時には具体的な技術も指導してくれますが、それもその表現をより広げるなら、こういう手があるという具合。一つ一つがなるほどと納得のできる内容なので、短い時間でも参加者には確実な変化が現われていきます。あっという間に2時間15分が過ぎてしまいました。参加者は一通りの体験ができたようです。

―次回に向かって

0511_03.jpg

今回は、童話の一遍を体験したクラスでしたが、次回からグループになって短編小説に取り組みます。参加者の皆さんは、今日は壌さんの朗読に対する基本的な進め方もわかって、声に出す楽しさが体験できたようです。二クラスとも、クラス終了後に手渡された次回までの宿題を、楽しげにもらって帰る受講生の風景を見ることが出来ました。

―参加者の声

・初めての緊張せずに読めました。先生の“場”の力にびっくりです。ありがとうございました。
・すばらしかったです。本当に。


朗読スタジオ概要

2013年5月~2014年3月 毎月第2・第4土曜日
午前の部 10:15~12:30/午後の部 12:45~15:00
対 象:高校生以上
発表会:2014年2月@ACM劇場にて

講 師:壌 晴彦(じょう・はるひこ)
俳優・演出家・演劇クラブ『座』代表/NPO日本朗読文化協会顧問。狂言大蔵流、茂山千五郎氏(現千作・人間国宝)に師事。その後「劇団四季」正劇団員を経てフリー

| 教育プログラム | 10:00 | comments:3 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

ご回答頂きありがとうございます。

来年度も開校の予定とのことでとても嬉しいです。
募集が開始された際には申し込んでみたいと思います。

受講生の方々の発表公演も楽しみにしております。
ぜひ行きたいと思います。

それでは失礼いたします。

| | 2013/05/27 23:16 | URL |

来年度の開校について

ご質問ありがとうございます。
来年度も開校の予定で進めております。
また各スクールについて、今年度の受講生による発表公演も予定しております。こちらについては、ホームページやチラシなどで改めて情報を発表する予定ですので、こちらもぜひお越しください。

| 水戸芸術館ACM劇場 | 2013/05/26 17:28 | URL |

質問失礼いたします。
気が早い話だとは思うのですが、来年度も開校予定はあるのでしょうか?

| | 2013/05/25 22:28 | URL |















非公開コメント

PREV | PAGE-SELECT | NEXT